最近は「アジャイル」が流行のようですな

 とうとう(?)こういう記事まで出るようになりました

「ソフト「俊敏開発」の技術者を共同育成 NTTデータと楽天
 http://s.nikkei.com/U40DlJ
 
 つい、反射的に「「アジャイル」が一般的な単語になって来たのはイイけど、
粗製乱造された「エセ」で「本物」が駆逐されるような事になったら、悲しいなぁ。
昔の「ゲームブック」の時も「出したら売れる」とばかりに今考えたら「トンデモ」な本も沢山出たし。」
と呟いてしまいましたが、140文字では色々と言葉が尽くせない部分もあったので
ちょこっとだけ補足。

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 呟きにもあった、「ゲームブック」ってヤツですが、今を去ること四半世紀以上前(って書くと
相当古く感じるな、オイ)、一大ブームがあったんですよね。
 前から順番に読み進める、ストーリーは1本道という従来の小説のスタイルに
読み手に選択をさせて、それ次第でストーリーはハッピーエンドにもバッドエンドにもなるという
当時としては画期的なスタイルを持ち込んだ小説(というかゲーム)でした。

 ただ、それって元々TRPGといわれるゲームを1人で楽しめるようにした「変化球」(というか
「苦肉の策」?)だったんですよね。

 だからこそ、コンシューマー機(当時はファミコンとかスーファミとか)が良く出来た
ゲームを出してきた時に、「一人で遊べて、おまけに音とか動きまで出る」んだったら
ゲームブックで遊ぶ必要ないよね、って感じでどんどん廃れていってしまったのかな、と。
だからゲームブックは「エセ」によって駆逐されたというよりも、当然の帰結だったのかもしれません。

 一方でTRPGが未だに(細々とではあるかもしれませんが)根強い人気を保っているのは
「ゲーム」というモノの本質を押さえているからではないのかな、と。

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 上に挙げた日経の記事自体が良く分かってない記者が書いたんだろうなぁと言うのは、まぁイイとして、
以前にも書いた「大手SIerアジャイルに手を出そうとするのはイイケド
失敗した時にその責任をアジャイルに転嫁する(=アジャイルという手法が悪い)流れには
なって欲しくないなぁ」というのが僕の偽らざる感想です。

 が、もし「アジャイル」がソフトウェア開発の何がしかの「本質」を押さえている本物であれば、
多少逆風が吹こうがこれから先何十年も残る事になるでしょうし、そうでないなら「粗製濫造されたエセ」によって
あっさりと駆逐されてしまうんじゃないかな、と。